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インタビュー

デバイスオタクがこだわり抜いた、Crazy Raccoon初のゲーミングデバイス「CRAZY RACCOON EARPHONE」の開発秘話に迫る。

デバイスオタクがこだわり抜いた、Crazy Raccoon初のゲーミングデバイス「CRAZY RACCOON EARPHONE」の開発秘話に迫る。

2023年9月21日に発売が開始された「CRAZY RACCOON EARPHONE」の開発裏話を、株式会社タイムマシン 代表の岡田卓也氏、株式会社Samurai工房 ディレクターの米永氏、ウェルプレイド・ライゼストの金成に伺いました。


岡田卓也(おかだたくや)

株式会社タイムマシン 取締役社長

1988年生。2010年アルバイトスタッフとしてe☆イヤホン勤務。2011年株式会社タイムマシン入社。2013年PR担当就任。2015年執行役員就任。2021年取締役就任。2023年4月取締役社長就任。

米永亘佑(よねながこうすけ)

株式会社Samurai工房
ディレクター

1998年11月24日 B型
2022年8月入社
営業・案件・グッズ・イベント(CRフェスやその他オフライン施策)など

金成拓也(かなりたくや)

ウェルプレイド・ライゼスト株式会社

2017年に専門商社 古河産業に入社。家庭用ゲーム機・オーディオに使用される素材の販売や新規事業など幅広く担当。収集癖があり、当時はギターの周辺機材を多く集めていたが、コロナ禍で大学入学前までハマっていたゲームを再開。FPSや対戦格闘ゲームに熱中し、デバイスにも興味が湧いた結果、手あたり次第買い揃えるようになる。趣味を仕事にしたいと思い、2022年にウェルプレイド・ライゼスト入社。パートナーソリューション事業部でMCN事業、クリエイター/インフルエンサーへの営業活動を経て、現在は所属者のマネジメント業務や自身の知見を生かしたスポンサー/IPコンテンツセールスに従事している。


Crazy Raccoon初となるゲーミングデバイスへの参入。イヤホンへの情熱を持ち、一からオリジナルを開発できる会社と手を組んだ背景

岡田:e☆イヤホンは2007年にイヤホン・ヘッドホンの専門店として創業しました。今でこそイヤホンやヘッドホンは生活必需品となっていますが、当時は商品のバリエーションもそこまで多くありませんでした。イヤホンやヘッドホンの良さを皆さんに広め、文化を作ってきたのではと自負できるほどには、この業界に特化して活動してきた会社です。僕自身は、元々イヤホンが好きだったので、アルバイトから始まり今年で入社13年目を迎えました。イヤホンやヘッドホンって実際に使用しないと分からないことが多いんです。そのために、「ポタフェス」を主催するなど、お客様とのリアルな場での会話、交流を通して、誰でも気軽にイヤホン・ヘッドホンを体験いただけるよう全国各地に商品を届けています。

米永:Crazy Raccoonで念頭に置いているのは、プロゲーマー・配信者、ファンの皆さんが楽しみながら輝けることです。輝く人を増やすことで、ゲーム業界を盛り上げていくことを最も意識している事務所だと思います。チームや所属者の様々なグッズを展開していますが、ゲーミングチームとしてデバイスも出したいと考えていました。そんなときに、金成さんにe☆イヤホンをご紹介いただいたんですよね。

金成:元々、Samurai工房の代表である高野(おじじ)氏とウェルプレイド・ライゼストの代表である古澤がお話させていただいたことがきっかけですよね。ゲーミングデバイスの発売のご提案をさせていただき、どういったメーカーや製品が向いているか古澤と深く協議したことを今でも鮮明に覚えています。僕自身、ゲーミングデバイスやイヤホンを収集することが大好きで、これまでもデバイスに携わるお仕事をさせていただいていたのでとてもわくわくしました。その中で、ゲームタイトルを問わないイヤホンであれば幅広い層の方に届けられるのではと、e☆イヤホンをご紹介させていただきました。

ポタフェス2023夏 秋葉原の様子

岡田:僕らは良いものを作れる自信はあったのですが、ゲーミングイヤホンの分野はまだまだ開拓中だったので「これだ!」と思いました。Crazy Raccoonには多くのファンがいます。「CRAZY RACCOON EARPHONE」を通して、ゲーミング業界に関わることができるとわくわくしました。

金成:正直、OEMメーカー、代理店、商社などのご紹介先もいくつか思い浮かんでいて、どちらをお繋ぎすべきか悩んだんです。でも前職でe☆イヤホンの皆さんとご一緒させていただく機会があったときのことを思い出したんですよね。色んな想いを聞かせてもらったり、業界やお客様に真摯に向き合う姿を拝見したりして、e☆イヤホンしかない!と。

米永:Crazy Raccoonの幅広いファンに届けられることに加え、コスト面なども考慮し、ゲーミングデバイス業界への参入にイヤホンはベストな選択だと社内での会話もスムーズに進みました。Crazy Raccoonには色んな部門がありますが、音に一番こだわりをもつFPS部門をターゲットにしたイヤホンで進めたいというお話をさせていただきました。

多種多様なゲームプレイヤーの声を一つにまとめあげ、一人でも多くのファンに届けることをだけを考え続けた日々

米永:FPSといってもゲームタイトルによって聞こえる音に差があります。Crazy Raccoonに所属するVALORANT部門メンバーや、開発時に来日していたAPEX部門のRas選手、ストリーマーのobo氏など、様々なゲームをプレイする所属者に使用してもらってはフィードバックをもらいました。

岡田:最初に20パターンほど製作してお試しいただきながら、その場でチューニングできる環境を整えて挑ませてもらいましたが、実際にいただいたフィードバックには驚きました。僕らが抱いていたゲーミングイヤホンの重要な音のイメージと、使用者が本当に聞きたい音があまりに異なっていたんです。たとえば、音の輪郭をどこまで残すかを一つとっても、ゲーム内の音の設計やプレイヤーの好みによって全然違うんですよね。たった一人のプレイヤーとのコラボ商品ということであれば好みに合わせて完璧に製作できますが、Crazy Raccoonというチームとの共同開発だったので、様々なゲームでの使用感や個々人の好みになるべく近づけるという両軸で進めるのは時間がかかりました。

「CRAZY RACCOON EARPHONE」開発の様子(左から、obo氏、Ras氏)

米永:その他にも、ノイズキャンセリング機能がついているイヤホンに近い遮音性の高さですよね。足音も聞き取りやすいですし、ゲームの世界への没入感が高いという声も多かったです。

金成:ノイズキャンセル機能はついていませんが、耳の形にフィットしやすいため遮音性が高く、物理的に外の音が入ってこないパッシブノイズキャンセルに優れているんですよね。Ras選手が「ノイキャンついてないけど、これなら全然大丈夫!」と言ってくださったのがとても印象的でした。

岡田:イヤホンオタクのこだわりとしてお伝えしたいこだわりポイントは、音を発生させる「ドライバー」というパーツが通常1つのところ「CRAZY RACCOON EARPHONE」には2つ入っているところです今回はドライバーを一から新規で製作し、さらにチューニングも特別に行いました。通常、ここまでのカスタムは難しいのですが、今回は幅広く音を調整できるメーカーをご提案させていただき、新開発の積層型セラミックツイーター「VST-R」を搭載しました。

米永:試行錯誤しながら多種多様なゲームをプレイするCrazy Raccoonの所属者の様々な声を反映した結果、色んなイヤホンを使ってきた所属者からは特に「これほしい!」と言う声が多かったですね。

 

金成:僕は今、e☆イヤホンオリジナルのケーブルに自分で購入した国産のイヤホンを付けて使っているんです。音楽も好きなので、音楽にもゲームにも合うバランス型の本体をeイヤホンにめちゃめちゃ通って買いました。けっこう高かったんですよ(笑)。でもその10分の1もしない金額の「CRAZY RACCOON EARPHONE」の方が、VALORANTやApex Legendsをプレイする際に断然良かったんです。ゲーマーが使いやすいよう様々な使用状況に最適な長さに設定されている上に、世間でベストセラーといわれるゲーミングイヤホンが1万円前後であることに対してそれよりも安い価格でファン向けに作られているというのも大きな強みですよね。

岡田:初めてイヤホンを買う人が手に取りやすいものにしたいという想いを込めて、製作段階から1万円未満にすることは決めていましたが、最後の最後まで調整しましたね。品質、Crazy Raccoonとのコラボに加えてこの価格設定は、強みであると胸を張って言えると思います。

金成:価格設定は本当にご尽力いただきましたよね。最初に買う方の手に届きやすいだけでなく、2本目の選択肢としても絶妙なバランスを実現していると思います。

米永:Crazy Raccoonでも、高野(おじじ)を始めファンの皆さんとのエンゲージメントを大切にしているので、触れやすさを考えての値段設定になっていると思います。何より、金額に対しての高いクオリティは本当に素晴らしいです。

開発期間に何本も持ち込んだイヤホンサンプル

岡田:そもそも金成さんがいなかったらこのプロジェクトは実現していなかったですし、調整役として金成さんに入ってもらったことで、早い動きがとれたことを感謝しています。

米永:本当にスムーズでしたよね。ゲーミングデバイスの知識が深いからこそ、Crazy Raccoonでも説明しやすいように対応いただけたのですごくありがたかったです。

共同開発を通して見た、新しい気付き

岡田:金成さんからCRカップ(Crazy Raccoon Cup)の凄さについて聞かせていただいていましたが、自分たちでは想像ができない数字が記載されていたので正直信じられていなかったんです。でも、「CRAZY RACCOON EARPHONE」を通してスポンサーさせていただくことになり、大会を拝見したら実際にすごいエンゲージメントで影響力の高さを実感しました。僕たちは目の前のお客様にイヤホンを啓蒙する活動を行ってきましたが、自分たちでは手の届かない方々にアプローチできたなと。スポンサーを通して、CRカップの一ファンとして視聴するようになりました。

 

米永:ありがとうございます!国内トップのゲーミングチームが初めて手がけるイヤホンでしたが、いい製品に仕上がったが故にハードルがあがったようにも感じます(笑)。とはいえ、今後も他のデバイスも含めてファンの皆さんや所属者、そしてゲーム・eスポーツ業界に関わる全てのゲームプレイヤーが納得するものを届けていきたいと思っています。

岡田:「CRAZY RACCOON EARPHONE」を発表してから、様々な企業に声をかけてもらえるようになりました。ゲーミングデバイスへの初参入ですが、何もないところから色んなものが揃い始めているという状態になれています。今後も、イヤホンを使用する全ての方に、自分にあったものを選んでもらえる世界を作っていきたいですね。

金成:e☆イヤホンゲーミング AKIBAでは「CRAZY RACCOON EARPHONE」の特別装飾を施したエリアがありますし、CRAZY RACCOON STOREでもお試しいただけるように調整を進めています。また地方の方々にも、e☆イヤホンの店舗で体験いただけるので手に届きやすいのも強みですよね。「CRAZY RACCOON EARPHONE」の特設サイトでは、開発の様子もご覧いただけます。開発の様子をコンテンツ化していることもレアケースと思いますし、イヤホンの開発にあたりご協力いただいたCrazy Raccoonの所属者の方々のイヤホンを選ぶ基準や機材選びのポイントなどのインタビューも併せて公開されているので、是非ご覧ください。


一人でも多くのFPSプレイヤーに快適なゲームプレイ環境を届けたいという想いで開発されたことが強く伝わってきました。「CRAZY RACCOON EARPHONE」は、e☆イヤホン店舗での体験・購入、オンラインでの購入が可能です。是非、お試しください。

◆e☆イヤホン ゲーミング AKIBA:https://www.e-earphone.jp/user_data/shop_gaming/
◆CRAZY RACCOON STORE:https://crazyraccoon.jp/store/
◆「CRAZY RACCOON EARPHONE」特設サイト:https://www.e-earphone.jp/user_data/e-earphone_cr/

取材・筆:ウェルプレイド・ライゼスト株式会社 広報室 広報室長 金田裕理

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