
“デザイン”を起点に空間や身体といった広義なデザインまで多角的な価値創出を行う株式会社28(以下「28社」) 代表取締役の村上元基氏と、GLOE 代表取締役 谷田さんにお話を伺いました。
「それ、いいかも」をかたちにする
“ちょうどよさ”に宿る28社の哲学
村上さん:創業当初から大切にしてきたのは、「Design Fit You」という考え方です。お客さま一人ひとりにとって“ちょうどいいデザイン”を届けたい。そんな想いを軸に、これまで活動してきました。デザインといっても、その形はさまざまです。グラフィックやアプリ設計はもちろん、フィットネスだって身体のデザインに当たります。そういった観点で、デザインに関連する様々な事業を展開しています。形にとらわれず、相手にとって本当にフィットする形を探し続ける。それが私たちのスタンスです。目を引く派手なデザインも素敵ですが、私たちが目指すのは、日常の中に自然と馴染み、「なんかこれ、いいよね」と感じてもらえるような、空気のようなデザイン。そんな存在を目指して、丁寧にものづくりを続けています。
谷田さん:村上さんの言う「ちょうどいい」って、「設計」という言葉がしっくりきますよね。デザイン=アートじゃなくて、課題解決のための設計。お客さんの目線に立って、求められているものを“履き心地の良い靴”のように提供していく。そのスタンスが社風にも、人柄にも、すごく出ていると感じました。
村上さん:僕自身もそんな感じで、いろんな要望を「面白そうだな」と受け入れてきました。フィットネス事業も、もともとはポスター制作を頼まれた会社様との出会いがきっかけなんです。話していくうちに「一緒にやったら面白いかも」となって。そういう直感的なつながりが、結果的に面白い化学反応を生んでいます。
谷田さん:まさに“人”の会社だなと思います。28社との懇親会で社員の皆さんに「村上さんってどんな人ですか?」と聞いたら、みんなが「全部を受け入れてくれる人です」と口をそろえて言っていました。トラブルをトラブルとして受け止めない、明るく包み込むようなスタンスが、社内にもにじみ出ていますよね。
村上さん:よく言えばポジティブ、悪く言えば楽観的かもしれないですね(笑)。でも「なんとかなる」っていつも思っているんです。それが僕の役割でもあるのかなと。昔はもっと行き当たりばったりでしたが、今はチームも増えてきて、組織としての“ちょうどよさ”も考えるようになってきました。
「この出会いに、賭けてみよう」
偶然のようで必然だったGLOEとの合流点
村上さん:コロナが明けて少しずつ世の中が以前のように戻ってきた中で、「このままでは取り残されるかもしれない」という感覚がありました。いろんな技術や働き方が、2030年くらいに起こるはずだった変化を先取りしたように感じて。そこで「新しいチャレンジをしなきゃ」と悩んでいたときに、M&Aの仲介会社から声がかかったんです。
掲載から1〜2週間でGLOEさんから連絡をいただきました。GLOEさんのHPをを見た瞬間、「こんなにうちと合いそうな会社、ある?」って思ったんです。しかも、谷田さんに初めて会ったときの第一印象が「この人、鍛えてるな。フィットネスの文脈でもぴったりだな」と(笑)。
BRAFT WORKOUT STUDIO お客様の声
※写真は村上さんのビフォーアフター
谷田さん:28社さんのGLOEグループジョインは、僕たちにとって初めての形でした。過去にジョインしてくれた2社は、元々つながりのあった会社。でも28社さんとはまったく初対面。それだけに慎重でしたが、初めてお会いしたときに「村上さんとなら、新しい面白いものが作れるかもしれない」と思いました。
村上さん:実は、他にも複数の会社さんからお声がけをいただいていました。多くは「アプリ開発力」や「デザインのリソース」といった、28社の強みに注目してくださったんです。中には、自社の中にシステムやアプリ機能を取り込む目的で話を持ちかけてくださるケースもありました。でも、GLOEさんは違っていました。私たちがこれまでやってきたこと、その中にあるちょっと変わった挑戦や、説明しづらい部分も含めて、「そのままでいいですよ」と、丸ごと受け入れてくれる空気があったんです。「ここしかない」と感じたのは、その包容力に触れた瞬間でしたし、正直、救われた気持ちになりました。

28社のサービス一覧
谷田さん:村上さんの人柄も含めて、すごくフィットした感じがありましたよね。僕たちも「初めての経験ですので、こういうやり方でお話を進めさせていただくのが正解かわかりません」と正直に伝えて、それをちゃんと受け止めてくれる安心感がありました。
村上さん:GLOEさんとの懇親会のあとに、古くから在籍してくれている社員が「いい判断でしたね」と声を掛けてくれて。GLOEさんとご一緒することになって、経営のこと、事業のこと、新しい挑戦のことといった、すぐに答えが出ないことを、素直に言葉にできる環境があるというのは本当に心強いなと。そう思えたこと自体が、これまでと違うフェーズに来た証なんじゃないかと感じています。
“まだ見ぬ正解”を一緒に探しにいく
グループで広げる、課題解決の選択肢
谷田さん:今回のジョインは、GLOEにとっても新しいことができるようになるし、28社さんにとっても未体験の領域に踏み出すチャンスだと思っています。“ちょうどいい”という思想のもと、選択肢を増やせる状態が生まれる。それが何より嬉しいですね。
村上さん:本当に、今めちゃくちゃわくわくしています。コロナ禍は“守り”の時間だったので、溜まっていたフラストレーションが一気に晴れていくような感覚です。GLOEさんからの相談ひとつひとつが、「やったことないけど、絶対面白い!」と思えるんですよね。
谷田さん:僕らも28社さんとなら、わくわくを次々と形にできると思っています。イベントだけでは解決できなかった課題、逆にデザインだけでは突破できなかった壁。それを、グループ全体で力を合わせて乗り越えられる体制が整ってきたと捉えています。
村上さん:GLOEの皆さんがどれだけ本気で向き合っているかも、日々のやりとりで伝わってきます。それを肌で感じた社員から「こういう向き合い方、すごく勉強になる」と声があがっていて。会社としても個人としても、成長できる環境をもらっていると実感しています。
谷田さん:将来的には、「GLOEのことを一番理解しているのは28社のデザイナーたち」と言える関係を築きたいですね。お互いの“らしさ”を理解したうえで、「この案件はこのチームが一番向いてるよね」と自然にアサインできるような関係。28社さんが加わってくれたことで、グループとして最強のチームに一歩近づいたと思っています。
村上さん:社内でもデザインチームと話をして、「今後はGLOEからの相談が増える。そのためにも理解する努力を丁寧にやっていこう」と確認し合いました。互いを理解し、尊重しながら、一緒に“ちょうどいい未来”をつくっていきたいです。

28社がGLOEグループにジョインした日に撮影した写真(左から、GLOE 谷田、28社 村上さん、GLOE 古澤)
異なる道を歩んできたGLOEと28社。しかしその根底には、“誰かのための、ちょうどいい価値”を追求する姿勢が共通していました。
企業としての成長も、チームとしての前進も、そして個人としての変化も、すべての出発点は「わくわくするかどうか」。それを見失わない両社が、いま、新しい未来の扉を開こうとしています。
■関連リンク
・28社 公式HP:https://nihachi.com/
■取材・筆
GLOE株式会社
経営企画部 広報グループ長 / 人事部 カルチャーデザイングループ長
金田裕理